・4月中旬にイタリア、バルカン4カ国13日間の旅を楽しみました。訪れたバルカン4カ国はバルカン半島の北西部に位置し、かつては隣国のローマ帝国、ベネチア共和国などから支配された時代があり、偶然にも旅の行程もイアタリアのベネチアからでした。訪れた国々の旧市街では当時の影響を残す遺跡や素晴らしい建造物を観て回りました。
イタリア半島とバルカン半島に挟まれたアドリア海に面するバルカン4カ国は、多くの島や長い半島、そして入り組んだ入り江に囲まれた湖の様な静かな紺碧の内海の風景が広がる素晴らしい地域です。海岸線沿いに点在する、白壁にオレンジ色の家並と木々の緑とのコントラストはさながら絵を見ている様な美しさです。そしてきらきら光る内海に直接落ち込むカルスト台地など車窓からの美しい大自然の眺めは楽しい旅となりました。
訪れたバルカン地方は、もともと独立した小さな国(スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、セルビア、マケドニアなどの国)の地域でしたが、第二次世界大戦後の1945年に、これまでの王制を廃し社会主義体勢として、7つの共和国からなる、ユーゴスラビア連邦人民共和国となりました。その後チトー大統領による、統制のもとに国状は一応安定していました。
しかし1980年チトー大統領の死後、元来一つの国になることが無理な国々であったこともあり民族紛争が一気に噴出し、悲惨な独立戦争や民族紛争が長く続きました。旧ユーゴスラビアは「世界の火薬庫」と言われるほど紛争の絶えない地域でした。里や町の沿道には、おびただしい数の墓が並ぶ犠牲者の墓地や弾痕跡の家屋など生々しい戦争の傷跡が残っています。今、こののどかな美しい町や里を見るにつけ平和の尊さを感じながらの思い出に残る旅でした。 |