OTさんの「ある中国体験記」  
            OTさんの趣味のスケッチをまじえた貴重な体験記です。 中国体験記-1頁
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                        ある中国体験記         記:2006年9月
1、はじめに
 私は現役時代には、鉄をつくる会社で働いた。仕事の上で、中国の役所や会社と1975年頃から約20年間にわたって、色々な交流・折衝をした経験がある。中国人が来日しての付き合いも、中国へ出張しての交流も10回くらいある。

 仕事のことで中国へ行く場合は中国の招待によるので、日程、交通や宿泊も全て中国側がお膳立てする。10回の出張の中には、「国賓」に近い、贅沢な待遇を受けたことも、粗末な「倉庫の片隅」に泊まる扱いを受けた経験もある。その二つの中国体験を紹介しようと思う。
(注:この体験記は私が見聞したことについて、全くの私的感想により綴ったものであり、会社としての見解など公的なものとは何ら関係ないものである)

 中国が受け入れる外国人の身分は、最高は「政治家」や「学者」、次は「エンジニア」、最低の待遇で扱われるのは「商人」である。身分は中国から発給されるビザに明記されている。

2、私と中国の関わり(1)

 中国の武漢市にある古い製鉄所の中に近代的な薄板工場を建設し、操業指導をするプロジェクトを私の会社が受注したのは日中国交回復がなって、間もなくのことだった。私は操業技術や工場運営などの指導にあたるグループの一員として、工場が完成する前に、中国の技術者が日本で、勉強するのを世話したりした。10年近い歳月を掛けて、その工場が完成した。

3、完成祝賀会へ出席のため訪中
   1)北京市にて
 完成の祝賀会に、このプロジェクトに協力した日本の企業の関係者を招待してくれた。そのメンバーに私も「高級エンジニア(中国語で工程師)」として含まれていた。
北京に着くと、何から何まで最高級の扱いで、ほとんど国賓待遇であった。というのもメンバーの中に、中国にとって国交回復の恩人である、ある偉い人の夫人が含まれていたからであり、団長であるわが社の重役より高い扱いを受ける人だったのである。

 北京の役所で、担当大臣や次官の大歓迎を受けた。私は挨拶の折には、最高の親しみを表現しているかの如く振舞って、右手で親しく握手をしている間に、左手で素早く彼らの肩口に触って、生地の手触りを確かめてみた。以後どこでもそれを試みたが、どんな階層の人も着ているのは人民服で、デザインにはほとんど差がないのに、肌触りには大きな差があることをはっきり知ることができた。

 北京での最初の挨拶と宴会が2日掛かりで終わった。私には折衝も課題も何も役目がなく、手持ち無沙汰なので、たまたま持参したスケッチブックを広げてみた。

   2)武漢市にて
 次に武漢の製鉄所へ向かうことになった。高官である次官と同夫人が同行するのには驚いた。空港の貴賓待合室でチラチラと見ながら二人をスケッチする。
夫人はとっても美人でおしゃれだ。待合室の床を飾るじゅうたんの図柄も夫人に映える。
次官と美人の夫人 【貴賓待合室、床のじゅうたんの図柄】

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